冷凍庫のメモワール

アイスパリパリ委員会

『ウィリーズ・ワンダーランド』を観ました!

最高最高最高最高最高!!!!!! 人生にはこれが一番効く!!!!! 内容バレ含みます!

故障した車の修理費を払うために、呪われた廃遊園地の清掃員として一晩中ひとりで掃除(無双)する男の映画。
と聞いたため観たのですがめちゃめちゃ大好き。最高。ありがとう。人生に必要な映画。

ちなみに私はニコラスケイジさんの出た映画と聞いて一番に出てくるのが『デビルクエスト』なのですが、午後のロードショーでボーっと見てたら最後のバトルですごい好みの要素があったので個人的にかなり思い出深くて好き。評判は凄い悪いんだけど。

 

『ウィリーズ・ワンダーランド』は全くもって完全に聞いた内容から期待した通りの映画で良かった。
それでいて王道ホラー感強くてハイになっちゃった。

主人公が異様に強いしリアクション薄いしで、主人公がロボット8体に無双するだけではただの繰り返しになってしまうと思うんだけど、ホラーあるあるの若者集団とか、ホラーあるあるの化け物などと取引する大人とか、ちょこちょこ介入して来ることによって無駄な死人が出るのホラーだなあ! になった。
余所者である主人公が生贄に選ばれるのもホラーあるあるなのに、謎の主人公が大したリアクションもせずに全員捻り潰して呪われた場所だろうがノリノリでピンボール遊びまくるのは異様で面白かったです。
王道ホラー展開への安心感と、謎主人公への「絶対朝まで大丈夫だろうな」の安心感が裏切られないので心臓に優しい映画だった気がする。

なんとなくホラー映画っていうかホラーゲームっぽさがあるよなって感じなのかもしれない。
どう考えても絶対死ぬだろうなという雰囲気の仲間と大人たち、少しずつ明かされるバックグラウンドストーリー、なんにせよ絶対全部倒す気でいる俺、みたいな安心感だったんだと思う。
ロボットの正体が悪魔や化け物ではなく儀式によってロボットに魂を移した殺人鬼たちっていうのも、なんかゲーム的な馴染みあって良いですね……。

前に観た『アントラーズ』は「クトゥルフ神話TRPGみたいなホラーだ……」って思ったのですが、ニュアンスでしか伝えられないんだけどホラーに抱く感想ってそういう……あるんですよね。あるあるの分布がそれぞれ違うというか……。どっちも大好き。

 

若者も、死ぬだろうなという安心感たっぷりで良かった。
ラブラブカップル、ヒロインに気がある男、そして単純に巻き込まれた感の方が強い仲間たち……。
カップルの彼女の子はすごい可愛かったしホラー映画によくいるいじわるな女の子かと思ったけどそうでもなかったしピッキングも出来るのに死んじゃったの悲しかったけど、どう考えても死ぬ要素しかないので逆に安心しました。

あと全然関係ないけど油撒いてるときのオールバックみたいな髪型の子の髪が一房おでこに垂れてるっぽいのすごいオ!!! ってなった。多分なってましたよね? 良かったです。

 

主人公が最強すぎるけど決してアニマルロボットを倒すために行動することは無かったの面白かった。
掃除をするとき以外働かないの良い。

お掃除どれも綺麗だったんですけど、お手洗いの部屋の掃除シーンが一番感動しましたね。
すごい綺麗になって……。
そしてそのあとまた汚される鏡見てあーあもうやっちまいましたね! になるし、あんなにすごい綺麗になったのに主人公とゴリラのロボットとの交戦で鏡やら破壊していくの本当に良い。お手洗いの部屋での戦闘シーンというものが本当に好きなので良い。
あの扉開けゲームもホラーゲームのイベントっぽくて良い。

時間にきっちりしてるから、カメレオンのロボットと鉢合わせたときに時計のタイマーが鳴って、ホラー映画でのヒロイン枠だと思われるリブを置いて休憩室に戻っていったのすごい徹底してて驚いちゃった。
し、これはリブが主人公の休憩終了まで耐えれば勝つの確定の展開じゃん……! ってわかるのでリブの戦いとピンボールのシーン、「早く無双しに来てくれ……!」って期待感で心地よかったですね。最高!

最後の方ウィリーズ・ワンダーランドの曲とともに異常にノリノリの主人公笑っちゃった。
徹底的に感情が無さすぎるから本当に何にどう思って何を感じてあのようなノリノリになれるのかはわからないけどあのシーン観てて本当にハイになっちゃった大好き。
曲がすごい良いですからね。

女性保安官の後ろにウィリーが居ても何もしないけど血が飛び散って部屋が汚れたら行動起こすのも異様で良いですね。
冷静に考えると人として怖すぎるんですけど、もう最初から一言もしゃべらないしダチョウのロボットの時点で主人公がこういうものだとわかってるので観ている間主人公への恐怖はあまりなかったです。この徹底した行動原理好き。

ホラーゲームの主人公ってやっぱこういうところあるけど、もしホラーゲームなら物によっては「この主人公はいったい何者? 実は主人公は……」みたいな考察があちこちで飛び交うんだろうなあとちょっと笑顔になってしまう。
この映画に関して言えば、主演がニコラスケイジさんということでそういう隙は無いのではみたいな印象ある。

 

女性保安官もすごい良かった。町の人々を守るために余所者を生贄にしちゃうし、悪ガキが忍び込んでも無視するけどリブだけは守りたがってるの良かった。
リブの名前出された瞬間助けに行くのと車の中でリブについて話すの最高になっちゃった、大好き。
明らかに異常に強い主人公を見てもなおウィリーに怯え続けて主人公を生贄にしようとしてたの大好き……。

男性の若い保安官も良いキャラだったので死んだの悲しかったですが、これも助けに戻ろうとした時点でどう考えても死ぬのわかるので安心はしました。

 

ロボットたちもすごい良くて、好きなのはカメです。ソンブレロ良いし性格もなんか良いですよね。
車のカギも取るし弾丸も取るしスペイン語で良く喋るし。駄洒落も言う。

ニワトリの歌とかちょくちょく挟まる演奏シーンも好き。

でもちょっと対主人公に対してみんな棒立ちでやられ過ぎ感はありますよね!?
手を拘束されている主人公相手にはせめてもう少し善戦して……!
不意を突いて恐怖で抵抗できない人を襲うのが今までのやり方だったのなら仕方ないか……。
でもロボットが弱いわけではなく単純に「人間<ロボット<主人公」の図だったのもあり、逆に主人公が一度ウィリーに負けたのが何!? になった。
申し訳程度の人間アピールってやつじゃん……と思ったし全然いや生きてるでしょ……感あったので、逆にウィリーが死体確認しなかったのを責めるレベルですよ。もうあなたしかいないので今すぐ喰らうべき。

 

最後妖精のロボットが完全に破壊しきれてなくて車を爆発するのも、破壊しきれていなかったカメのロボットが車で勢いよく轢かれるのも、ラストの爆速ですべてを片づけていく感じ、最後まで良かった。
余所者の主人公とリブという、よその土地から巻き込まれてしまった二人以外のすべてを全部消し飛ばしていく感じね……。良いですね。私の人生に必要な映画。

ふわふわしたものか破壊行為でしか救われない魂があるので助かりました。
モンスターパニックも好きなので逆モンスターパニック的な感じで大好き。
良かった。また観たいです。