冷凍庫のメモワール

アイスパリパリ委員会

『ピノキオ』2022年実写版観ました!

 ネタバレある感想日記です。楽しかった。

1940年アニメ版と比べてゼペットさんの設定重すぎませんか!?
まさかゼペットさんが喋って動くたびに胸が痛む羽目になると思ってなかった。
いや、勝手に胸を痛めてすみません。
ゼペットさんにはあれが幸福だったのかもしれない……し……。

ゼペットさんに関してずっと引きずってるけどそれは本当に許して。

 

セリフの引用は基本的に日本語吹替音声からです。
しかし相変わらず喋りたいだけ喋ってる……。

 

CGキャラについての感想

ピノキオのビジュアル可愛くて良かったですね~!
かなり人形!
大きさが思ってたより小さくて街にいるとすごい目立つ。
後ろで手組んでたり色々細かい子供っぽい動作がめちゃめちゃ可愛い。

 

ジミニーのビジュアルは違和感はなかったけど多分慣れだと思う。
バグズ・ライフのバッタたちもそんな感じだった。
動くときに時々コオロギの鳴き声してるの良かった。

フィガロはちっちゃ子猫で柄も動きも可愛くて柔らかそうでした。
後ろの方で動き回ったりしてるからここ注目して観ても可愛いかもしれないなと思った。

クレオも美人さんだった。
アニメ版の妙にもちもちした感じが可愛くて好きなんだけど、実写だともちもちしてないからかイメージ結構変わる。

ソフィアもすごい頑張ってくれてて、話を上手く繋ぐために追加された感はあるけど良く喋るカモメって当然大好きだよ。
あと空からのアングル増えたの楽しい。
羽綺麗だ……。

他キャラは他のところで触れてるから省略しますがみんなCG良かったです!

 

ピノキオとジミニーの性格

アニメ版よりも真面目でしたね。
アニメ版ピノキオは「善悪の区別がつかない(楽しそうならやりたい)」って感じなのに、実写版ピノキオは「善悪の区別がつかない(大人に言われたことにそのまま従ってしまう)」感がかなり強かった気がします。
文字通り結構な操り人形感がある。
そのせいで大人が悪いよ!!! 大人が!!! になってしまう。

 

ピノキオはウソをつくと鼻が伸びるっていうのが一番有名な要素だと思うのですが、ピノキオが良い子なのでウソつくシーンが弱すぎる気がする……。
確かにウソはついたけど、有名になりたかったわけじゃなくてお父さんが喜ぶよって唆されたからなんだよ……違うんだよ目的が……。
学校に行きたくなかったのは追い出されたからじゃないですか……。
居場所がなくなったから人形劇に行ったんじゃないですか……。
歓声や拍手は好きかもだけど、笑われて傷ついたじゃないですか……。
ウソ判定が厳しすぎる。

好意的な解釈をするなら、これはどちらかと言うと「自分の立場を正当化するためのウソ」で鼻が伸びたんじゃなくて、「自分の気持ちを偽った」ことに対して伸びたのかもしれない……それだとジミニーの言い分と妙に食い違う気がするけど。

 

あとジミニーも、アニメ版より真っ当に良心を務めあげようとしてるんですよね。
なのに瓶に閉じ込められたり馬車の風圧で飛ばされたりまだ何も言ってないのにキューで弾き飛ばされたりと、寝坊以外は本人じゃどうにもならない理由でピノキオのそばを離れてたので、アニメ版と結構印象変わってたんだと思う。

アニメ版は、ピノキオはやんちゃだしジミニーもそれに怒って良心としての仕事を放棄したりするけど、そんな二人が協力して本物を目指す話だと思ってます。
でも実写版はふたりとも真面目なので、ふたりとも出来る範囲での努力をしているのに上手くいかないんですよね。あんまりだ……。

学校に入れさせてもらえないとか子供はどうしようもないと思うんだよな……。
同調圧力もそうだけど、それ以前に大人に怒鳴り散らかされて選択肢奪われたら子供はどうしようもないと思うんだよな……。

全体的に人間の嫌なシーンとか醜く描くシーンが増えてるイメージあった。
学校の先生とか同調圧力とか、自分と違うものを排除する人間の動きが凄い目立ってる。
それに「個性尊重」からの「操り人形は笑われるものだ」の流れとか、「おかしなことをしていいのは舞台の上だけ」とか、他と違う存在でも見世物として生きるなら存在を許される感じ出ててあ~~~人間の嫌なところ全部出しすぎ人間のことすごい悪く描くじゃんになった。

それに加えてピノキオが笑ってるシーンが圧倒的に少ないせいでそう感じたのかも。
いつでも幸せにいられるように笑顔の人形だったのに……。

 

ゼペットさんの願い事について

アニメ版では陽気で変わったおもちゃ屋さんって感じだったんですよね。
実写版では冒頭から「あの子にそっくりの…」ってゼペットさんが言ってるシーンで男の子の写真が映るじゃないですか。「あの世に召された」…………。

もうこの時点で
え!!?? 嘘!!? ってなっちゃった。

だって死んだ息子を想いながら似せて作った人形に命が宿るのはどう考えてもホラー文脈なのでは……!?
ピノキオってめちゃめちゃ呪物なのでは……!?
という疑念をかき消せず冒頭5分せずにこれに命が宿っていいのか!? とビビりだす。

 

しかも時計も!!?
愛したひとたちを失い現実と向き合えないお爺さんというキャラクター造形だったので、喜んだり、はしゃいだりしてるの見るたびに何とも言えない気持ちになった。
完成したピノキオを操って一人大はしゃぎでフィガロを追いかけまわしてるシーンとか、命が宿ったピノキオとダンスしているシーンとか、どういう顔で見ていいのかわからない、わからないが……。

もっと何とも言えなくなる理由があって、ピノキオに命が宿るシーンです。

ブルー・フェアリーが杖を振るんじゃないの!?
そこ通過していいの!!?
この演出だと息子の魂が入ったりしてない!?

アニメ版と違って最初は自我がないし、「名前はピノキオ」ってジミニーに教えられてから名乗るので、これ本当は自覚がないだけで本物の息子の魂だったのでは……ってめちゃめちゃ不安になりました。

 

アニメ版だとお気楽お爺さんぐらいのイメージあったけど実写版はなんかもうゼペットさんそれどころじゃなくない!? 空元気じゃない……? 本当に良いのかこれで……!? になる。
ほとんどのシーンでピノキオよりゼペットさんの方が心配になった。
学校へ送り出すシーンとか……。
長年家から出てなかったとか……。
ゼペットさんの一日も結構な大冒険だったと思います。

たくさんの時計

小ネタ好き。
全部良すぎるけどロジャー・ラビットの時計すごい好き。
ジェシカ、好きだ……。

一回目の時計シーンではオーロラ姫が糸車で眠りにつき、二回目の時計シーンでは白雪姫が毒リンゴで棺に入るところで終わるのなんか面白いね。

時計全部売り払われちゃったの精神的にきつかった。
自分が悪いことした自覚があるときにこれされたら一生自責の念でおかしくなりそう。
でも親からの無条件の愛っていうのは良いと思うしわかる。

 

ブルー・フェアリー

出番……減っちゃったな!
日本語も英語も歌すごい良かったです!

鼻が伸びるシーン好きだから、ここ出てこないんだ~……となった。
実写版で新しく登場したキャラの方に出番を割いたのと、ピノキオが自分で自分の行動を反省する良い子として描かれたので説教する必要がなくなっちゃったんだな。
アニメ版はピノキオがやんちゃだから説教されるけども。
最後も出てこないからもう単純に命与えて完全に「次はあなたが頑張る番」って感じなのかもしれない。

出てこないからブルー・フェアリーって結局何なんだ……? 感が増してた。
実写版の登場シーン観てると、星の光が先行で願い叶えに来て、それのヘルプに来た妖精って感じする……。
もしかして星って願われると自動的に条件を満たす人の願いを叶える機械みたいなもので、妖精ってそれの再調整だったり手引きするために来るのか……?
願いが叶う→手違いを正す。の手順、謎だ……。

 

しかしブルー・フェアリーがジミニーに辛辣すぎで笑っちゃった。
世を拗ねた根無し草の昆虫。
「暖かい場所を求めてふらふらと飛び回ってる。あてもなく仕事もなく人生の目的も全くない」
めちゃめちゃ言うじゃん……!!
ちょっと仕事断ったからってそんな言わなくたっていいじゃん……!!
本編見終えるとジミニー普通に真面目でしょって思うけど、ピノキオの良心っていう仕事を与えられてジミニーも変わったんだよってことなのかな。

妖精の羽がめちゃめちゃ触手っぽくて海の生き物ですよこれ、うにょうにょ蠢いてて好き。
深海生物っぽくて海の神秘っぽい。

 

ファウルフェローとギデオン

実写ピノキオはそもそもファウルフェローに釣られて観たようなところもあるけど全部良い。
ちょっと露骨に文字数あるけど本当に許してください。

実写でもギデオン相手に流れるように手と足出るけど実写だとアニメより痛そうに見えてイタタタタになる。

あと街並み、私はディズニーシーのザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ裏の通りでピノキオたちのグリーティングに遭遇したことがあるので、それ思い出して楽しくなっちゃった。
あのあたりイタリアだもんね。

以前撮ったのあった。手がブレブレで笑う。拍手。

 

ビジュアル好きポイント

ふたりともアニメ版と比べてシュッとしましたね。
よく見る普通のキツネとネコっぽい。

ギデオンはシルクハットと手袋とあとステッキも無くなったからかボロボロ度が増してる。
でも耳出し帽子は大好き。
あともしかして爪先が出る手袋? アームカバー? みたいなの付けてる気がする。

 

ファウルフェローもたくさん変わってますね。
ギデオンとは逆で全体的になんか華やかになった気がする。
マントがカーテンっぽい……。
手首のところレースとか、杖のデザインもなんか鳥っぽい装飾で素敵だった。
大量のキツネ柄みたいな服着てるのもすごい気になる。
他のキャラもそうだけど衣装デザイン全部解説聞きたい。楽しそう。

画面アップで距離詰めてきた瞬間喜びすぎてウワハハハハ~~~~!!! になっちゃった至近距離。顔が良い。ここサービスショットだよ。
牙も首の毛も足も大好き!
あとやっぱりしっぽが可愛い~~~~~~!!!!
やっぱ正装っぽい服にしっぽが付いてるとお得だな~!
きっちりした服に揺れ物があると良い。

ジミニーがファウルフェローの帽子の上に乗ってるシーンで二匹の帽子から鼻先だけ見えてるの最高最高最高天才アングルでウオオオオ!!!! になった。

 

動き好きポイント

ギデオンのよれよれでずるずるに汚れた裾が地面についてるシーン全部良い。
走り出したファウルフェローを追うときとかの立ち上がりが遅いの大好き。

アニメとか特有の「明らかにそこに仕舞えないだろ」みたいな大きさの物取り出すシーン大好きなので、ギデオンがやっててハイになった。
実写というかCGだから出来るんだね最高~~!
ハンマーばっか持ちすぎ!

色のせいなのかなんとなくアニメより目立たない印象あるんだけど、ギデオンに注意して観ると落ち着きがなくてすごい細かく動き回ってるからアニメと同じ感じなのかも。
でもなんかなんとなく目立たなくないですか? やっぱ色かな……。

リンゴ食べたがってたのに渡してもらえなかったあと教科書舐めてるのって食べ物か確かめてたのかな? ここ好き。
まだリンゴ後ろに落ちてるよ。

 

ファウルフェロー基本的に指の動きが全部良すぎる。
ステッキさばきも当然良かったです。

あのビジュアルでがっつり走ってるのも良い。
身軽~!
最初にピノキオ見つけたときとか、学校の前でピノキオの前に駆け寄るの結構すごい勢いで駆け寄ってて好き。
スライディングみたいな勢い好き。

ファウルフェローの「しっかりした木で出来てるんだろうねぇ」の動き良すぎる大好き。

ファウルフェローがリンゴ齧って後ろに投げたあと教科書をギデオンに押し付けるこの動きと表情好き。
どうでも良さそうで。それよりどうやってアプローチするかを考えてそう。
ちゃんと教科書上下逆で嬉しい。

アニメ版だと芯になったリンゴをピノキオに返してて最低なんだけど実写版は少し齧っただけの食べかけを平然とその辺捨ててるのこっちも最低で良いな……。

「誰だっていっぱしの誰かになりたいんだ」って言った直後「これは乗ってくるだろうな」みたいな感じで待ってたのに「でもお父さんが……」って言われて「はぁ」みたいな感じで手と耳下がる動き良すぎるし、そこからのアプローチの立て直しが早いのプロの詐欺師すぎてすごい良い。

ピノキオの綴りがわからなくて口ごもるシーンの一瞬耳が垂れさがるファウルフェローとか、ファウルフェローが倒れてるときしっぽピンて立てて呻いてるの可愛かった。
それにファウルフェローが歌いながら行進みたいなステッキの振り方してるの本当に好きだからはしゃいだ。

ジミニーを瓶に閉じ込めるときファウルフェローが笑いながら後ろ見ながら走ってるのもギデオンの舌出し顔もここ最高過ぎる。悪いね~。
瓶に入ったジミニーにギデオンが舌出して手振ってるの良すぎる。悪いね~。

 

発言好きポイント

ピノキオが名乗ろうとしたのを遮って話し出すけどあとで名前聞くとか、勢いですごい喋り倒してくるところとか、そういうところ本当大好き。

「有名であることが本物の証。それ以外は誰でもない」あたりの畳みかけ好き過ぎてハイになっちゃった最高最高!!!
日本語吹き替えも最高だけどやっぱここ英語だと「everybody」「nobody」「anybody」「somebody」が続く感じめちゃめちゃ楽しすぎるのでここ英語でめちゃめちゃ聞いてしまう良すぎる。

言ってること胡散臭いしどう見ても怪しいのに動きとか喋り方が大きくて表情豊かで楽し気であ~~~好きだ……になってしまうの本当良くないよ。
実写はピノキオが真面目だからここで乗らないんだけど最後の一押しにお父さんを出してくるのはやり手ですよ。最高!

しかしこんなキツネに「偉いぞ!」「そうこなくっちゃ!」って言われたらもう全部口車に乗りそうになる結局普通にファウルフェローのことを私がめちゃめちゃ好きなんだよな!
画面のこちら側の私の自我として!

実写版はアニメ版よりもう少し紳士的な雰囲気があり、時代的にも「出さんとぶっ殺すぞ」はやらないだろうなって感じだったので、アニメ版と実写版交互に見てしまう。
どっちも好き。

 

「学校は凡人の物。月並みで普通の退屈なおバカちゃんたちのためにある」でウワ~~~ッてめちゃくちゃハイになってしまった。
「君には才能がある」「スターになる素質がある」「他の凡人とは違う」で唆すの本当好き。売り飛ばすためにベラベラ喋る……。
ここら辺の畳みかけかた本当に良い、聞こえのよい無責任な言葉で唆し道を外させ責任を取らないどころか売り飛ばす。

ただアニメ版ならともかく実写映画は学校へ行く行かない以前に、そもそも追い出されていたのでそういう話ではないですね。
そこに付け込んでたくさん言葉ならべて最終的には「お父さんの言うことを聞いて学校へ行ったのに先生にはなんて言われたんだっけ?」で本人に決断させるの良すぎる~~~!
最低!!! ヴィラン!!

やっぱ詐欺って最終的には本人の口から言わせて決断させるのがやり口だよな……。

 

声好きポイント

日本語吹き替えとても良かったです!
胡散臭いけど妙に優しそうですよね。
笑い声が良いのと、疑問形だったり尋ねる形の「?」で終わる台詞の言い方好きです。
あと呻き声が英語より情けなくて好きですね……。
歌声も良かったです!
元々好きなキャラなので、声も良かったの嬉しいです。

英語の騒がしさも笑顔になるから大好き!

 

ハイ ディドゥル ディ ディーでハイになる。
この曲ものすごい大好き。
アニメ版の「銀のステッキ粋な姿」のステッキの「キ」で上がるのめちゃめちゃ好きだし一回目の階段の手前で吠えるみたいな声が入るの好きだし、CDとかで売ってるほうの歌い始めの「カ~モントゥーザシアター」と「金の馬車が走る皆の拍手の中」大好きだし、実写版の「金の馬車が走る皆の拍手の中」もまた違って好きだし一回目の「スポットライト浴びて」が好きだし巻き舌も良いしどれも好きで嬉しい!

 

プレジャー・アイランドへ連れて行く役目がカットされてるのが悲しい……。
でも実写版のここの変更点は個人的にかなり好きなので悲しいけど良かったです。

 

ストロンボリ一座

アニメで「生きてる人形」って前紹介だったのが実写で「自分を人間だと思ってるお人形」だったのでウワ~~~!!! 売り込み方が悪化してる!!!

あとアニメ版は板に嵌ったこととかライトで照らされることに困惑はしてても、客から笑われることに対しては特に気にしてなさそうだったのに、実写版は明らかに傷付いてるのも悲しい。

それにアニメ版では足を動かすことというか踊ること自体が楽しそうだったけど、実写版は客席の顔色窺っているようにも見える。
窺ってるかは断言できないけど少なくともずっと客席ばっか見てる。
「バラ色の夢 輝いている」のあとで目を少し動かすシーンとか人間っぽい描写が細かすぎる。

でもサビーナがいるおかげで舞台上の人形と踊るシーンは楽しそうで良かった。

良質なエンターテインメントが劣悪環境と最悪のトップによって成り立っているらしいのは本当に見ていてつらいんですけども……。
人形劇が本当にすごいだけにね。
アニメ版だと動かしてる人の様子は見えないから妙に怖さもあったんだけど、実写は操ってる人の手と足、それとファビアナだけは見えるからすごい! って思えた。
あと音楽流す機械もかっこよすぎる。
良質なエンターテインメントだ……。

 

あとオリジナル曲が良い!
ダ~ンス! 楽しい~!
楽しい曲で良いですね。

ファビアナも良いキャラだった。
挫けず前向いてて好き。
夢がテーマって感じのエピソードで好き。
ファビアナに言われた「当たって砕けろ」をピノキオが気に入って後になっても言ってるの好き。

作中での貴重な優しい人間ポジションでしたね。
だからこそピノキオが人間不信気味になって優しさを一度受け取らなかったのがちょっと悲しいけど、サビーナとの会話もあって助けようとしたことはしっかりピノキオに伝わっててよかったです!

あとサビーナが生きてるかのように表情豊かに動くの良かった。
……本当に生きてましたか?

 

プレジャー・アイランド

ファウルフェローの出番が減ったのは残念だったけどストロンボリからプレジャー・アイランドへの繋ぎ方ここ個人的にすごい良いと思うんですけど……!
ジミニーと別れるし絵面と展開にスピード感がある。

というか今さら思ったけど、ストロンボリのところでピノキオが一度人間不信に陥って良い人悪い人の判別がつき始めたから、展開的にファウルフェロー二度目は使えなかったのかも。
最初から良い子だと思うけどここはピノキオがひとつ学んだシーンだったのかも。

 

「仲間が友達だとは限らない」っていう同調圧力の話を途中で遮りつつ、そのあと実写オリジナル同調圧力ソングが来た瞬間「さっきの話の続きじゃん!」ってハイになり過ぎておかしくなった。

音楽がすごい良いのに「ノリが悪いぜ」「空気読めよ」っていう最悪同調圧力ソング曲なの聴いてて居心地悪~~~! 最高! 最悪! になった。
しかも先導して歌ってるのが大人なせいで、結局大人に怒鳴られて実質選択肢を奪われた状態で圧力かけられてるの最悪!
展開としてとても好き。

 

そして到着したすっごい煌びやかなテーマパーク!!!
で行われる子供たちの欲まみれの行動!
すごい眩しくて騒がしくて、ピノキオもアトラクションとか景色では「わぁ~」みたいな顔してるときがあるんですけど、子供たちの暴食暴言破壊略奪を見てはしかめっ面になるのを交互にやってて、わかる。
まあそうなるよ。
このピノキオの反応も含めて、映画つくった人はこの場所をどう見せたいんだろうな~と少し疑問に思ったりもした。
人間は最悪だけど人間の作るエンターテインメントは素敵だよって話……?

 

ライドスルーのアトラクション的な演出で回るのとか明るい街とかすごい楽しそうに見えるのに、暴食と破壊の限りを尽くす子供が視界に移り続ける斬新なアトラクション。
観覧車の上から見た景色は広くてワクワクするね。
床下の板がバタバタバタって開いたり閉じたりするのもワクワクするから大好き!
ルートビア売りの男性が笑顔で下に引っ込んでくの好き過ぎる。

というかジョッキに入ってたけどルートビアって酒じゃないんですね。
調べたら炭酸だった。
小学生は蛇口から炭酸が出るのが夢だからな……。

 

プレジャー・アイランドアニメ版と見比べたけど、ケンカ小屋とタバコロードが無くなったからか実写版は圧倒的に食と破壊が充実のテーマパークになってて偏り方子供っぽくて良い。
ところでゼペットさんのことを話に出す流れの都合とは言え、流石に時計を破壊するだけの施設はマニアック施設すぎて笑っちゃった。
マニアックすぎて良い。時計に何の怨みが。
あとなんか花火みたいなの持って踊ってるみたいなシーン好き。

 

ランピーがロバになった後暴れまわるシーンは本当にアニメまんまの動きで怖かったです。
アニメと同じシルエット演出からのさっきまで人間だったものが後ろ足で暴れまくる様子怖い!
ここはアニメに忠実な分アニメより怖い気がする。
でも実写版はロバになるぞの説明も無くて結構唐突なロバ感がある。
吹き替え版の馬車での「つまり変身したいってことか?」ぐらいしか伏線ない気がする……。
ロバを連れてく謎の煙人間だけが謎だったんですけど、アニメ版見返したらそっちにも黒い影いました。細かいところ拾ってるな……。

 

ランピーの役者さんがすごい良かった。
出てからずっと「良いなぁ……!」って思ってた。
ちょっと調べたらドラマ版のライラの冒険に出てるんですか!?
ライラの冒険ドラマ版の存在初めて知った。
黄金の羅針盤、映画すごい好きだし原作小説も読んでたからドラマ版気になります。

 

あとロバの耳引っ込むシーンはズルじゃないですか?
ピノキオじゃなくて、状況がずるい。
楽しそうで素敵なことと、親を探すことを天秤にかけさせて正しさを試すのはズルですよ……。
確かに今選ぶならそっちしかないけど、どう考えてもタイミングが悪かったです!
劇団に入るかはともかくまた来年戻ってきたら誘ってほしいよ~……。

 

海の怪物モンストロ

モンストロ可愛い~~~~!!
可愛すぎて観ながら応援上映みたいなテンションになっちゃった。
正面が可愛いけど横から見るとウツボっぽくてかなり本気で怖いデザインなのも良い。
深海生物感ある。本気で怖い。

紛れもない海の怪物!!!!
羽みたいなヒレ!!!
謎触手!!!!
王冠みたいな背びれ!!
お目目が大きい!!!
嚙合わせ良さそうで素敵なお口!!!
最高!!

あまりお腹の中に滞在できなかったのはちょっと残念ですが、ここピノキオ大活躍なの好き。
ここらへんずっと大喜びだった、やっぱ勢いあると妙にテンション高くなっちゃうのかもしれない……。

でもアニメ版よりピノキオの身体能力(?)が優秀なのに、モンストロとの距離が近すぎてもうこれここで負けて死ぬんじゃないかって怖くなるぐらいでした。
ハラハラしたとかじゃなくて本当にこれで死んで終わると思った。
カメラアングルが怖すぎる!

 

おしまい

大胆な設定の変更も多かったけど、細かいシーンがかなりアニメに忠実につくられているので、アニメ版と見比べるのがすごい楽しいです。
私はどっちも好きです!

1940年版ピノキオの特典映像「もうひとつの エンディング」をディズニープラスで観ると、ラストシーンはこっちのエンディングを下敷きにしつつ、映画オリジナルの展開にしたんですね。
映画版のエンディングを最初見たときは少し驚きましたが、ピノキオの性格変更を考えると、この映画はこの終わり方が良かったなと思います。

ゼペットさんがピノキオに大好きだよって伝えるところも、映画のテーマに沿っていて良かったです。
実写版は本物になる話っていうよりも、自分は本物だって自信を持てるようになるための話なのかもしれない。
起きた出来事はファンタジーだがメッセージは現代的だ……。
「大切なのは姿形ではなく心」っていう、最初に言った通りの終わり方ですね。

あと家に帰れたかはともかく、あまり家に帰る意味はなさそうだった。
大切な時計は売っちゃったし、あの街の学校へは通えないし、家族全員揃ったし、どこか遠い所でみんなで暮らすのが良いんじゃないかな……。

とにかく笑顔で暮らしてほしいなと思います!
お幸せに~!