冷凍庫のメモワール

アイスパリパリ委員会

『すずめの戸締まり』を観ました。

すずめの戸締まり観ました!
ネタバレあります感想!

予想してなかったところで刺さったというか、環さんと鈴芽の関係でボロボロに泣いたし、鈴芽から鈴芽へのメッセージでボロボロに泣いた。

個人的には、鈴芽の物語としてはすごく良くて好きなところが多くて、閉じ師については考え続けてるうちに消化しきれなくなってきて、そういう感じの感想です。

新海誠本は貰いましたが、上映前も上映後も余裕なかったのでパンフレット買えてません……。
買いに行きます。

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感想

環さん

環さん本当に良かった……。
全部が良かった……。
好きすぎる。

地震あった時に連絡つかないから心配して帰ってきてくれるの好き。
長文メッセージでウワッ……てなったあとにまためちゃめちゃ長文送られてくるシーン大好き。
鈴芽を追いかけて東京まで来て、車に乗り込んでくるあたりからちょっと最高になりすぎちゃった。

駐車場のシーン一番泣いた。
環さんが「これ見よがしに何も食べないで」みたいなこと言うシーンでほんとそうだよ環さん心配してるんだよになったけどここ本気の口論で怖すぎちゃった……。
鈴芽の「重荷だった」で確かにそうかもしれないけどぐわ〜この展開キツいよ〜になってたし、環さんが畳み掛けてきて本当に怖かったし、「私の12年間返してよ」はまあ……そう、そうなるよね! って。
相手のことを想ってやってきたことを頼んでないって怒られたらまあそうなる……想って行動することが相手のためになるかっていうのはまた別ですけど。

環さん、自分の生活には本来関係なかったはずの姉の娘を12年間ここまで育ててんの本当に凄い。
し、だからこそそれを負い目に感じる鈴芽の気持ちもわかる……。
のでここ元々はどっちも絶対相手を思いやっての感情だったものが悪い方に転がっちゃうの悲しい。

環さんの今までが全部報われてほしい気持ちでいっぱいになりましたが今回は自転車のシーンの「それだけじゃない」とかエンディングとかあったのでなんか結構穏やかな気持ちで観終わった。
エンディングでの母娘二人旅でたくさん通じ合ってくれたんじゃないでしょうか。
あの映像良すぎる、お世話になった人に挨拶して帰るの良い……。
あれ絶対必要だよね、絶対必要だよああいうの。

駐車場でサダイジンから解放されたあとショック受けて立ち去っちゃうところも環さん〜……になっちゃった、そのあと芹澤のところで泣き出すのはここ作中屈指の一番萌えになっちゃったすみません。すみません。
芹澤が動揺してるのも含めてここ一番萌えになっちゃった。

7時間だかの長旅の予定のなかせっかくの休憩なのにご飯食べた後ソフトクリームとかなんかめちゃめちゃパーキングエリア満喫してそうな芹澤良かったな。

というか環さんに声当ててたのが深津絵里さんなのあとで知ってびっくりしちゃった、演技良すぎ良すぎ大好きすぎ……。

 

草太さん

最初の扉のまえで鈴芽さんと草太さんが会うシーンここ映像めちゃめちゃ良いですよね好き。
走ってくる鈴芽からのシーン緊張感あってすごい好き。
鈴芽のこと助けるシーンでまずすごい良い人なのわかるの良い。

椅子走るシーンコミカルで良いですね……。

みかん拾う時の草太さんめちゃめちゃ反応速度と頭の回転早すぎてすご! になった。

芹澤とかコンビニの人たちからの態度見ても今までも各地で色んな人に優しくしてきたんだろうなと思うし、良いですよね。
人に優しくして人に優しくされてる人好き。

千果ちゃんが部屋に来るから部屋の隅に寄って背を向けたところ好き。

草太さんが子供たちの世話を見てくれるところ好き。
椅子が喋ったことを誤魔化すために鈴芽が最新AIだってフォロー入れたのに、それでも子供が椅子に詰め寄るから「そんなに賢くないから!」って再度フォロー入れたのに「なんだと鈴芽さん!」って怒り出す草太さん天然で笑っちゃった。


ジェットコースターのレールを椅子が走る音、めちゃめちゃ良かったね……。
俊敏なアクションシーンからの、動ける! 体が椅子に馴染んできたんだ!

↑テンションとセリフがギャグっぽくて馴染んじゃ駄目だろ! って笑いかけたけど直後に事態の深刻さに気付いて泣いちゃった。

馴染んじゃ駄目だろ……。
しかも本当に駄目だったし……。


新幹線でのはしゃぐ鈴芽と「そうだね……」になってる草太さんここ好き。

 


草太さんが要石になったあとで「君と出会えたのに」「生きたい」ってなったときに、今まで「死ぬのは怖くない」「草太さんのいない世界が怖い」「私が要石になる」だった鈴芽ちゃんも「私も生きたい」って続いたの、良かった、好き。

そのあとの1秒1日のくだりも好き。

 

楽曲

すずめ(楽曲)良かった……!
大好き!
女性ボーカルの神秘的な曲本当にめちゃめちゃ大好き。

主題歌のカナタハルカも、劇場で最後ぼーっと聴いてたんですけど、

「あなたさえいれば」「あなたさえいれば」
そのあとに続く言葉がどれだけ恐ろしい姿をしていても

のところだけものすごい耳に言葉としてはっきり届いてしまってぐわーーーっ愛!!!!!!!! になっちゃった。
ここだけやたら耳に届いたんだけどここすっご……。すっご……こんなことあって良いのか……になっちゃった。

すっきりした感じの終わり方だったから「これは観客のご想像にお任せしますってことね、了解!」と思ったのにこの歌詞が出てきたから「再認識しろとばかりに愛を叩きつけられましたが!!!?!?」って一人で座席であわあわになった。

家に帰って改めて歌詞見てみたら

何千年後の人類が何をしているかより
まだ誰も知らない顔で笑う君を見たい

はあのテーマであの規模だった本編を考えるとなかなか残酷な気もするけど、常世で鈴芽が草太さんを助けに行くのと「1秒1日でも生きていたい」のところは大好きだからこの歌詞なのもまあわかるかもしれないかもしれない……。
最後の常世での歌だ……。

まあ本編では鈴芽ちゃんは好きな人も世界も救ったし、草太さんは帰り道に扉を探しながら帰ったのも事実。

 

会う人たち

作中の舞台が広いのすごい良いですよね。
移動距離めちゃめちゃある。
スマホ一つであんな遠くまで行けるもんなんだ……とめちゃめちゃビビっちゃった。

ダイジンがなんか招き猫みたいな感じになってたのもあると思うけど良い人たちに助けてもらえて良かった〜。
本当に良かった……怖……。

 

ダイジンって名前、てっきり猫に「課長」とか付けるノリかと思ってたけど後々にサダイジンが出てきたことによって本当にダイジンだったことがわかったので「絶対この猫途中でこっそり自己紹介しただろ……」感出てたの最高だった。

逆にダイジンに合わせてサダイジンが名乗ったにしてもそれはそれでお茶目キャットだしな……。

 

千果ちゃんが「男って本当に馬鹿で」ムーヴしたあとの「聞きたい?」に後ろから「聞きたくない!」って返ってきたの、もう何度もこの話してるんだろうなって感じよすぎて大好き。

あそこでガールズトークを繰り広げたあとで、鈴芽が環さんの話しした後に「それ元彼のセリフだよ」って言われてるのなんか良かったな……。

 

ルミさんに関しては声も良すぎる。好き。
一人旅に詳しいことは詰めずに等価交換で泊めてあげてたけど最後別れる時は「家出少女みたい」って笑ってお母さんに連絡してあげなねって言ってたのが良かった。
ルミさんもお母さんだもんね……。

 

芹澤、乗りかかった船というか乗り込まれた車なんだけど本当に良いキャラで良かった。

何をやってるかも知らない友達を心配して来たのに、見つけた後のあの態度も距離感良い。

草太に借りた2万円一生返さないんだろうな……。
鈴芽に2万円の話してたとき草太さん(椅子)いたし、聞いてたはずだけど草太さんは「勘違いしてるな」で済ませてるのかもしれないな。

芹澤の車に乗り込んだあと、『ルージュの伝言』が流れ出したときに「えっこのテンションで観ていいシーンか?」になったけど芹澤が流してる音楽だってわかった瞬間笑顔になった。
芹澤の立ち位置というか距離感、本当に安心出来る……。

ゲストとかシーンに合わせて選曲してたらしいけどパーキングエリア出たあとに「これじゃないな……これだな」で『けんかをやめて』流し始めたのは「その空気の合わせ方は良くないだろ芹澤……」になった、そういうところ結構好きだ。

オープンカーの屋根のシーン作中で一番笑った。
大好き。
閉まらないのもお約束だし事故ったときに閉まるのもお約束だし、トドメとばかりに扉が壊れるの大好きすぎる。
エアバッグ出たあと無言で屋根が出てるのを引きで見てる図本当大好き。

 

 

 

消化途中

閉じ師、背負うものが大きすぎる。

「大事な仕事は人からは見えない方がいいんだ」って草太さんは言ってたけど近年はそういうのガンガン表に出てきてる時代な気もするし、そうじゃなくてもそれ以前に閉じ師の人手絶対足りてないからもっとなんか、どうにかしたほうがいいよ……。

関東大震災のときはたくさん居たっぽいのに今回九州から東北まで行って草太さんと寝たきりの祖父以外の閉じ師の存在が全く出てこなかったのおしまいじゃん。
ち、近くに誰かいませんか!?
こういうのって担当地域とかないんですか!?

でも今回は要石が抜かれたから数日間の間に立て続けにあんな巨大ミミズが出ることになっただけで、普段は(鈴芽が最初に見つけた状態のような)開いてる扉を閉じて回るのが草太さんの基本的な仕事だったのか。
「君は死ぬのが怖くないのか」とは聞いたけど、草太さん自身は閉じ師としての覚悟はもちろんあるけど死への恐怖も元々ある人だと思うし。
でも恐怖とか関係なく、危機に直面したときに自分の身を顧みずに動ける人ではある。

でもあの感じからして草太さんも本格的にミミズと対峙するのは本人の年齢的にもほぼ初めてみたいな状態なのかもしれない……。

どちらにせよ東京にアパート借りてる教員志望の若者だけで日本全国の扉を閉めようとするのは無理じゃないですか……。
ただでさえ教員も大変な職だと思うのに本当に両立出来るの……。

鈴芽ちゃんが要石を抜いてしまったことに対して「私のせいだ」ってショック受けてた時に草太さんが「扉を見つけるのが遅れた俺のせいだ」って言ってて、どっちも悪くはない……はずなんだけど、なまじミミズが見えるせいで扉を閉じることが出来るせいで今回みたいなことが起きた場合の精神ダメージ絶対大きすぎるし、そんなの個人に背負わせちゃ駄目でしょ……。

廃校で地震を防いで私たち凄いことしたね! のくだりがあったから、なおさら失敗した時のこと考えてへこんじゃった。

しかも草太さん大学生で泣いちゃった。
大人ではあるけども……。
私だったらこんなの絶対ストレスで各地を破壊して回るかさっさと要石になってる。

人から見えない大事な仕事をしている人は今すぐちゃんとした評価とちゃんとした見返りをもらってほしい。
人から見えないところでも頑張れてしまう人はなおさらその頑張りは見てもらってください。

 

緊急地震速報のシーンがあるとは聞いてたけどもう一番最初の家の上に船が乗ってるシーンで「東日本大震災だ……」になったのでかなりがっつりじゃん観るのやめとけばよかったかもにはなった。
あのシーンは常世だったけど、町が瓦礫だらけなのに空だけ綺麗なのも本当に怖い。
最後の常世が燃えてるのも怖いし基本的に全部怖かった。

鈴芽の日記が出てきたシーンだけ見ると、震災を過去のものにしてしまった人をターゲットに、これから過去の震災について知ろうとする人を増やそうとした映画なのかなって感じする。

私は鈴芽が過去の鈴芽にエールを送るシーンはまた別だと思う。


東日本大震災や他の震災に関しては閉じ師の存在についてあまり語られることはなかった気がしたからスルーしてたけど、関東大震災は閉じ師とミミズの存在を明確にされてたので資料が出てきたシーンは多少ショックは受けた。

 

ダイジンとサダイジンが感情や意志がある神様として描かれた一方で、ミミズが生き物や神様というよりかは「日本の下にあるなにか巨大な力」のまま無機質に描かれたと感じたので、そこは好き。

新海誠本に書いてあった『君の名は。』と『天気の子』と『すずめの戸締まり』での災いに対する向き合い方に関してはテーマとしてはすごい好き。

ちょっと話がずれて、後ろ戸でその場所の声を聞くシーンも好きだけど一番好きなのは遊園地での「初デートが遊園地なんてうちらってベタだね」みたいなセリフです。
ここは災害の被害というより人のいなくなった土地って感じだったから、このセリフすごい好き。
だって初デートなら絶対この人たちの記憶にこの遊園地一生残ってるでしょ。
大切にしてください。
まだ電気ついたってことはそこまで大昔の話じゃないと思うし、遊園地が光ったことを知って懐かしくなったりしたかな。

 


ダイジン、本当に鈴芽ちゃんが好きなだけだった……。

草太さんが要石になったあとで「二度と現れないで」って鈴芽がキツめに言うところ、私もダイジンが扉を開けてるんだと思ってたから「これダイジン怒らせたらまずいことになるんじゃないか……やめといた方が……」になってたんだけどまさかの痩せ細って立ち去るという、え、あれ!? 本当に自分を解放してくれて餌もくれた鈴芽のことが好きだっただけなの!?!? ってここで初めてわかってびっくりした。

最後ダイジンが要石に戻ることを選択したの、劇中の大半の人間からしてみれば(劇中の人間は要石のことなんか知らないと思うけど)元の状態に戻るだけなんだけど、本猫からしたら一度自由を得てしまった分、自ら自由を捨てる選択をするのめちゃめちゃ覚悟いることだと思うので本当に、本当にお疲れ様でした……。

でも犠牲がなければ救えない世界なんて滅ぼしたい気持ちはある。
これは世界中のブラック企業の滅亡を願う理由と同じ。

 

すずめ

鈴芽から鈴芽へのメッセージでボロボロに泣いた。
あなたは光の中で大人になるって最後鈴芽が言った時本当それだねというか、そう思ってそう伝えられる人生を送れたの本当に素敵なことだと思った。

鈴芽の明日、良かった……。
鈴芽は常世でのことをほとんど忘れちゃってたけどあの出来事のおかげで自分が生きるべき世界に帰れたんだと思うし、それ以上に現在の鈴芽が幼少期の自分にそう伝えられたことで過去を乗り越えられたと思うから良かった。

最初の夢の時に「これお母さんじゃないんだろうな」とは思ってたけど最後鈴芽が小さい頃の鈴芽を見つけて「行かなきゃ」ってなった瞬間に理解して私が好きなやつじゃん!!!! になっちゃった、私が好きなやつじゃん!!!

常世が特殊な場所なのもあるけど、
未来の自分が過去に影響を与えたことでそこに時空を超えたループが生じるの私が好きなやつじゃん!!
(私はハリーポッターの逆転時計が尋常じゃないぐらい大好き)

幼少期の鈴芽と話したのは鈴芽だけだけど、最後幼少期の鈴芽が常世から元の場所に帰る時に振り返ったときには鈴芽と草太さんが並んでいて、鈴芽はずっとこの時のことを何度も夢に見て覚えていたということは鈴芽が最初に草太さんと会って「どこかで会ったことありませんか」って言ってたのはこれじゃん!!! になっちゃった。

鈴芽と草太さんが出逢ったのは偶然だと思うけどこのループがあるおかげで二人の出逢いは必然の出来事なわけじゃん……。
好きシチュ。

そして最後の戸締まりが「行ってきます」なのめちゃめちゃ良かった。
戸締まりになった……。
家の鍵を閉めるとか自転車の鍵を開けるとか鍵のシーンはここまででもアップで描かれてたけど、ここのシーン見て初めてすごい鍵閉めるシーンで気持ちが明るくなった。

行ってきますで閉めて、最後はおかえりなさいだし、挨拶で締めたからかなり爽やかな終わり方で観賞後の後味良かった。

 

 


鈴芽の物語としてかなり好きな話の運びだったし、終わり方が綺麗で、最初のシーンと同じ流れになった瞬間からもう大満足ニコニコになっちゃったし良かったです!

あと環さんはたくさん幸せになってください!